2022年8月5日 小児がん対策国民会議 設立1周年記念シンポジウム開催

小児がん対策国民会議では、設立 1 周年を記念して「小児がんの薬剤開発の現状‐国民会議の目指すところ‐」をテーマにオンラインシンポジウムを開催します。

小児がんは、小児がかかるさまざまながんの総称です。一般的には 15 歳未満にみられるがんのことです。日本では年間発生数が 2,000 人から 2,500 人、発生率にして 15 歳未満人口 1 万人あたり 1~1.5 人という「稀少疾患」です。年間 6,000 人が入院治療を受けています。

ここ数10年の医療の進歩で血液がんを中心に現在では約 7 割~8 割が治るようになりましたが、固形がんについては欧米に比べ小児がんの新薬開発が進んでいないのが現状です。2018 年までに国内で承認された 18 品目は多くが古い薬剤の適応拡大である一方で、米国で承認された 27 品目のほとんどが新薬となっていました。

小児がんの新薬開発が進まない理由として、①市場規模が小さく、開発コストや法的義務(安定的供給・安全性監視活動など)の負担が大きい、②第Ⅰ相臨床試験施設・小児治験に精通した施設、医師、CRC の不足など小児治験を実施する環境が不十分、③医師主導治験で開発しようとしても、公的予算・研究費の確保が困難、④対象患者が少なく被験者の確保も難しいため、臨床試験の実施が困難、などが挙げられます。

欧米でも以前は日本と同様の問題を抱えていましたが、成人と小児の薬を一緒に開発することが義務化されたことや、製薬会社に対する優遇措置(インセンティブ)が導入されたこと、そして、米国では 2017 年に小児がんの薬剤開発の計画を義務化する法律が成立(2020 年施行)したことにより、小児がんの薬剤開発が進み、治療の選択肢が大きく増えており、再びドラッグラグが拡大してきています。これを打開するには、従来の制度の延長線上での検討ではなく、抜本的な制度改革が必要なのではないかと考えています。

本国民会議では、設立 1 周年を記念し、患者・家族、医師、企業の立場から、小児がんの日本における薬剤開発の現状について発表とパネルディスカッションを行います。
ご多忙の折とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

日時:2022 年 8 月 5 日(金) 18:00 ~ 20:00
場所:オンライン ( zoom 開催 )
主 催:小児がん対策国民会議
共 催:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院、特定非営利活動法人日本小児がん研究グループ 、認定特定非営利活動法人ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ、小児がん患者会ネットワーク、公益財団法人がんの子どもを守る会
後 援:認定特定非営利活動法人がんサポートコミュニティー/がん対策総合機構、認定特定非営利活動法人キャンサーネットジャパン
テーマ:小児がんの薬剤開発の現状‐国民会議の目指すところ

お申込み方法:下記リンクのお申込みフォームにアクセスして頂き、必要情報をご入力ください。お申込み完了後、開催日 1 週間前から順次、事務局より当日のアクセス情報を送付いたしますので、ご確認いただきますようお願いいたします。
●お申し込み URL : https://forms.gle/JJVRpcZkDtEDMGdL8
●お申込み期限:8 月 1 日(月)15:00 迄